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神の主権 (The Sovereignty of God)
趙聖模 牧師
-目次-
1. 神様の主権と定義
2. 創造世界での神の主権
3. 統治する神様の主権
4. 人間を救う神様の主権
5. 神様の主権と人間の意志
6. 神様の主権と祈祷
7.結論
1.神様の主権の定義
カルヴァン主義者‘ミター’博士は神様の主権とは神様の独自的な行事だとした。参考(詩127:1)(伝7:13)
イギリスの講解説教家アダピンク(A,W,Pink)は神様の主権とは神様の最高権と王権と神格を意味すると言った。
神様は全能であり天地の全ての権力を握りどんな人間もその計画と目的を挫折させることはできないとした(詩115:3)(Ⅰテモ 6:15)。
聖書的な意味は神様の主権は絶対的である。人間はあくまでも相対的関係である。しかし、神様の主権は絶対的であり無限である。
(ヨブ36:22,詩89:6,8,)
神様の主権というのは宇宙の中で行われるすべてのことを神様の御心のまま、即ち喜びの御旨で行うことを意味する。
(申8:18;Ⅰ歴代29:11.1, 使17:24~26; ヨブ5:11,9:4,10,12,16,32, 12:13) アメリカの改革主義神学者コルネリウスヴァンティル(Cornelius, Van. Til)教授はこのように言う。神様が絶対的な合理性(AbsoluteRationality)であるように、彼は絶対的な意志(Absolute,Will)である。これは主に神様が善になることを意味するのではなく永遠に善であることを意味する。
神様には永遠な成就(Eternal,Accomplishment)がある。この絶対的な意志が主権的な意志である。聖書は宇宙の中で行われるすべてのことの究極的な原因を神様の御心に帰す。創造(黙4:11)、保存(黙4:11)、治め(箴21:1,ダニ4:35)、選択と捨てること(ローマ9:15~16, エペ1:11)、細密なことまで(マタイ10:20, マタイ10:29)
結局神様は究極的に自我決定的(Self-determinative)であり、絶対に必然的であるため絶対的に自由な存在である。
2. 創造世界においての神様の主権
創世記 1:1以前は宇宙が創られてなかった。
創造の目的は神様の栄光である(コロ 1:16,黙4:11)
創造は目に見える物質の世界だけでなく、目に見えない世界も含まれる(コロ1:16)
1)宇宙創造
地球は1年に1回ずつ太陽の周囲を回っている
1年 934,400,000 km
毎日 2,560,000 km
1時間 106,665 km
1分 1,777 km
1秒 28 km
光の速度は1秒に30万kmを照らす。地球から銀河系の中心までこの速度で行くと33,000年が所要する。太陽の直径は地球の109倍, 即ち1,380,800 kmである。太陽を埋めるためには約1,300,000個の地球を入れなければならない。しかし、あんなに大きな太陽も宇宙にある他の星たちに比べると小さな惑星にすぎない(Ⅰコリ 15:41)オリオン(Betelgeuse)の星はあまりにも大きい。その直径が 689,600,000 kmである。 アンタレス(Antales)星はその直径が 835,200,000 kmである。
銀河系には約100,000,000,000個の星があると推測される。
1秒間隔でその星を数えるにもおおよそ3,000年が掛かる。
銀河系はその軸を中心に1回転するのに200,000,000年が所要される。
人間の頭脳では到底想像のつかないことである。唯一創造主の神様だけが絶対的な主権者として創造した宇宙の世界を治める(箴 16:4,イザヤ 40:17~18)。
2)人間創造
神様は人間をあまりにも神秘なものとして創造された。
正常な人の体から動脈と静脈そして毛細血管をすべて取り除き端と端を繋げることができればその長さは凄いことになる。地球を2回半から4回まわれる96,000 kmから 16万kmにもなる。
人の体には世界でもっとも驚くほどのポンプ器官、即ち心臓がある。その業務量を見ると平均して1分間に72回1日に100,000回、1年に35,000,000回動いている。毎日心臓の脈拍は一人の人を150m高さまで持ち上げる力で動いている計算になる。
人の目は約130,000,000個の光線受信組織体と7,000,000個の光線感知神経組織がある。各々の目には脳と連結される300,000個の線がある。そして目は 10億の変形可能性を持っている。目は微かな星の光から眩しい太陽光線まで見ることが出来る。
人の“耳”を考えてみよう。ピアニストは88音を見分けることが出来る。しかし、人の“耳”は15,000音まで見分けることができる。人の脳は1.3kgの重さがある。人の脳には偉大な保管能力がある。
おおよそ70才程度の人の脳の記憶装置の中には15,000,000,000,000個の各種情報材料を保管しているという。これらは記憶を回想させ実際へと移す役割をする。脳は約13,000,000,000個の細胞或いは神経細胞になっている。神様の働きを一体誰が防ぐことが出来よう! (ヨブ37:23,詩33:11,44:21,62:11)
3. 統治する神様の主権
1)宇宙を治める(ヨブ36:26-33, 37:5-6, 9-12,詩33:6-7,74:13-17, 76:6, 103:19,ダニ4:34-35)
2)物質世界を統治する(創 6:17,7:11~12)(出9:23~26,10:21~23,ヨブ 37:5~6,10, 詩89:9,97:1-5104:14,マタ5:45) 、
3)動物世界を統治する(創 2:19,6:19~20)(出 8:13,22, 9:3~6, ヨブ37:8,23詩104:21,28, マタ 6:26) 、
4)国家の運命を統治する(ダニ 5章)(ヨブ 12:23,詩22:28, 75:7)
5)天使たちを統治する(マタ4:11, 13:41, 24:31)
6)人の成功と失敗を統治する(ルカ1:52, ヨブ34:21,詩25:3, 27:10, 31:15, 75:6~7)Ⅰサム2:6-8, Ⅰ歴代29:11-12 参照
4. 人間を救う神様の主権(ローマ11:33)
1)救いとは何か?
ハイデルベルグ要理問答12問はすべての人は本性的に罪とサタン(Satan)と死の僕である。 人の悲惨さは腐敗と罪にあり、罪に対する刑罰にある。ですから、以前の惨めさから救われたのは罪の赦しと罪の取り除き、すべての刑罰からの解放である。人間は罪と死から救われなければならない。罪からの救いは罪の赦しを受けることと私たちの本性を新たにして罪の支配を受けないようにすることである。死からの救いは,絶望と神様の憤りに対する恐れからの救いであり、この世での災難と悲惨なことからの救いである。また、肉体の死と霊的な死からの救いでもあると定義する。神様はすべての人が救われることを願っている。しかし、この世の全ての人たちが救われるのではない。
その理由が何か?(ヨハネ 5:40,コリントⅠ4:7)
2)予定の二つの部分
宗教改革者ジョンカルヴァン(John,Calvin)はキリスト教綱要第3巻21章で永遠の選択について,ある人は永遠の命を預かり、ある人は永遠の罰を受けるように予定されたとしている(マタイ 25:31~34,46)。
(1) 選択(Election)(ローマ9:10-14,16)(ヨハ 6:44)
(2) 遺棄(Reprobation)(ヨハ 13:18)(ローマ 9:6~8)(Ⅰペテ 2:7)
(1) 聖父 神様の主権(ローマ 9:21~23)(エペ 2:3)(使 13:48)(ヨハ 6:45)に ,,, 彼らは皆神によって教えられる。イエス様もイザヤの予言(イザ 54:13)を引用する。 宗教改革者ジョンカルヴァン(J,Calvin)は註釈で、これはユダヤ人たちが捨てられ教会と関係のない者になることを意味すると言った。 ですから、主の教えを拒むことである。(参考Ⅰコリ 1:23~24)
(2) 聖子 イエスキリストの主権(マタ 1:21)
イエスキリストは誰のために死なれたのか? (ヨハ 6:37~39)(ヨハ 6:44)(ヨハ 17:1,2,6,9,24)
善き羊飼いが命を捨てたのは羊のためであり山羊のためではない。
(3) 聖霊の主権(Ⅰコリ 1:22)
父なる神様の永遠の選択の目的と御子キリストの死の制限的目的と聖霊の働きの範囲は完全に調和される。御父は救いを計画され、御子は和解し、聖霊は新たに生まれること即ち新生させる。即ち、御父は私たちを選択し、御子は私たちのために死なれ、聖霊は救いを完成させる(エペ 1:13~14)
3) 選ばれた者の特権は? (ローマ 8:33~34)
罪に定めることはできない。即ち、“告発できない”。イギリスのマチュヘンリ(Matthew, Henry)牧師は告発者である悪魔が神の前で昼も夜も告発できない。なぜなら神様が正しいと認めれば中止されるからであると言った。
4) 選択の確信は? (エペ1:4)
5) 選ばれた者の覚悟(使 9:15~16)
イエスキリストのために苦難を受ける覚悟をしなければならない。
6) 選ばれた者の信仰の姿勢(Ⅱペテ 1:10)
選ばれたとして気を抜いてはいけない。選ばれたことを確かなものにしなければならない
選ばれた者は究極的に救いを得る。(ヨハ17:12)(ヨハ3:16,6:39)
7) 選ばれた者の使命(使22:15)
イエスキリストの証人にならねばならない。
5. 神様の主権と人間の意志(ピリ 2:13)
1)神様の主権
神様は何かを行うときに願わないことをこなったり、強制的、義務的に行うのではなく、誰にも干渉されることなく、自由に行われる(ヨブ 11:10, 詩115:3, 箴 21:1, イザ 10:15, 29:16, 45:9, マタ20:15, ローマ9:15~18)
人間の意志(三つの質問)?
(1)神様は人間を完全なものとして創られたのか? それとも不完全なものとして創られたのか?
(2)罪を犯す前のアダムはどんな意志を持っていたのか?
(3)罪を犯した罪人の意志はどんなものなのか?
ウェストミンスト大要理問答25問は人の罪の状態についてこのように定義する。「人が溺れた罪悪の状態はアダムの最初の犯罪から生まれた。そのため本来造られた義を失い、その品性は腐敗され彼は霊的に善いことを嫌い、行えないし、すべてに反対し、反対に悪行だけを繰り返し行うことになる」。
6. 神様の主権と祈祷(ヨハ 5:14)
イギリスの講解説教者アダピンク(A,Pink)は“人生の運命は人の意志によるものであり、変わることもある”、それは極度の不信仰を意味すると言った。即ち「人の運命」は人生の意志によって変わることもあるということは被造物の意志を最高の位置に置くことであり、神様を低くすることだと言った(参考Ⅰサム2:6~8)。人間の生と死、成功と失敗が神様にかかっているのである(エレ10:23)。
(宗教改革者マルティンルテルは(M,Luther)「祈祷は神様が嫌がる心を征服するのではなく、彼が願っている思いを掴むことだ」と言った。即ち、人間の意志を神様の主権に服従させねばならない。
(Ⅰコリ10:27;Ⅱコリ11:7)
7. 結論
結論1. 神様の主権はその意志が覆ることはない。
結論2. 神様の全能さによってその御旨は永遠に変わらない。
ですから、救いを受ける私たちは神様の恵みを賛美するのみである。